Post Date
2015.10.14

地方創生に活きる奨学金

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奨学金を活用して大学生の地方定着を!

平成27年4月10日、文部科学省高等教育局長から各都道府県知事及び各指定都市市長に向けて『奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進について』が通知されました。

「人口の減少を食い止めること」「地方を活性化させること」といった課題に国を挙げて取り組んでいるなかで、文部科学省と総務省が協力し合い、地方の公共団体と地元の産業界が連携を図って、未来の地域産業を担っていく学生を支援するという内容です。

この取り組みで具体的に行うのは、地方公共団体、地元産業界及び職業団体が連携し、地方経済をリードする産業や計画性をもって振興させていく産業を定めることです。また「地方大学に進学する学生及び特定の分野の学位取得を目指す学生を、無利子奨学金の地方創生枠に推薦すること」「地元の企業などに就職した者の奨学金返還を、サポートするための基金を設立すること」などがあります。

無利子奨学金の地方創生枠

『奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進について』の通知には、無利子奨学金の地方創生枠に関する説明が記されています。

地方公共団体

基金が設置された地方公共団体と基金に出捐を行った地方公共団体は、進学先の大学や短期大学、大学院、高等専門学校および専修学校の専門課程にて、地方創生枠での無利子奨学金貸与希望者の申請に基づいて、3月末までに地方創生枠の被推薦者を選考/決定します。

被推薦者

被推薦者は、各都道府県ごとに100名までと定められており、選考結果は地方創生枠推薦者決定通知あるいは不採用通知が申請者に送付されるかたちで通知されます。
その選考は、基金が設置された地方公共団体や基金に出捐を行った地方公共団体がそれぞれ、支援対象者の要件や日本学生支援機構における無利子奨学金の貸与基準を鑑みて行います。

地方創生枠推薦者決定通知を受け取った人は、進学する大学などに対し4月の上旬から下旬のあいだに日本学生支援機構の無利子奨学金を申し込みます。このとき、地方創生枠推薦者決定通知を添付する必要があります。

日本学生支援機構

日本学生支援機構は、それぞれの大学などの学校長から地方創生枠に推薦された人物について選考を行い、無利子奨学金採用者を決定します。そして、その結果を大学などおよび推薦を行った基金設置団体に通知します。

注意点としては、地方創生枠で推薦された人は進学した大学などを通じて手続きを行う必要があること、対象は在学採用のみであり予約採用は対象ではないこと、地方創生枠に推薦されても奨学金の申込時点で日本学生支援機構における無利子奨学金貸与基準を満たしていない場合は奨学生として採用されないことなどがあります。

奨学金の返還支援

基金設置団体

学生が基金設置団体による奨学金返還支援を受けるにあたり、日本学生支援機構に送金する手続き方法が決められています。

学生(返還者)が日本学生支援機構へ返還残額証明書発行を申請し、日本学生支援機構はそれを受けて返還残額証明書を発行します。
学生(返還者)はその返還残額証明書を用いて、基金に返還支援を請求。請求された基金は、学生の氏名や奨学生番号、基金の返還支援額を日本学生支援機構へと報告します。

報告を受けた日本学生支援機構は払込用紙を基金へ送付。基金は、日本学生支援機構から送付された払込用紙を使って、返還支援額(返還残額の全部もしくは一部)を日本学生支援機構へ送金(ただし返還支援額が返還残額を上回る場合は、その差額を基金が返還者に送金します)。その後、日本学生支援機構は、返還支援が完了した後の返還残額(もしくは返還完了した旨)を学生(返還者)に通知します。

地方公共団体

地方公共団体では、山口県が「山口県高度産業人人材確保事業奨学金返還補助制度」の対象者募集を2015年7月に開始。これは、県内の産業を振興させるのに必要不可欠であるレベルの高い専門知識を持つ産業人材を確保することを目的として、平成28年度に開始する国の地方創生枠に先駆けて創設されました。

これは、大学院の理系学部または大学の薬学部でハイレベルな知識や技術を習得しており、なおかつ日本学生支援機構の無利子奨学金を貸与されている学生を対象としています。内容は、大学院の修士課程修了または大学を卒業した後、県内に本店または支店を置く製造業にある一定の期間従事した場合、奨学金返還額の一部または全部を補助するというものです。

ある一定の期間というのは具体的には、就業後10年間のうち通算で8年以上従事したときは、奨学金の返還額相当の金額が補助されます。8年未満4年以上従事した場合は、半額以上が補助されます。