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米問屋 あいづ松川

会津米 三十年のプライド
米問屋 あいづ松川の物語り
「会津の米を、誇りを持って売る」
風評被害に怯むことなく、
お客様のために米を作る、その姿勢に感服

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会津の田んぼから、食のかけ橋

「あいづ松川」の物語り

肥沃な土壌と、昼夜の温度差。 周囲の山々がもたらす、清らかな水。
これらの条件が揃った会津盆地は、 古来、稲作の盛んな土地だった。

四方に山を望む麗(うるわ)しの里で、 実直な生産者がつくる会津米は、
適度な弾力と強い旨味を持った、 「ザ・日本の米」―。

専門家の評価も高く、 日本穀物検定協会の食味評価試験においても、
会津産コシヒカリとヒトメボレは、 しばしば、最高ランクの「特A」を獲得している。

この会津米の良さを、 全国に伝える“かけ橋”になろうと、 日夜、努力を続けてきた、
会津の実直な米問屋「あいづ松川」。 会津盆地のほぼ中央、阿賀川の畔(ほとり)にて、
生産者と共に、歩み続けて、営々と―。

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お客様の安全・安心のために

原発事故と会津の米

震災に伴う原発事故によって、 福島の農業は苦境に陥った。
会津は原発から百キロ近く離れ、 高い線量が検出された訳でもなかったのだが、
福島県内であることによる、 イメージの低下は、やはり避け難かった。

放射能検査にかかる手間やコスト、 真実が伝わらない現状などを考えると、
この「風評」への憤り、やり切れなさは、やはりあった。

けれども、そうした想いは脇に置いて、 「あいづ松川」は徹底した検査体制を整備した。
集荷全量の八万袋を全て検査する全袋検査。 県の基準値未満の詳細な数字を出せる、
専門機関への依頼。

それは、会津の「食」の安全を証明し、 お客様に心から
安心して食べてもらいたいという、 会津人の、ひとつの矜持(きょうじ)だった。

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米に携わって三十年

松川正光さんの奮闘

放射能検査で示された、 会津米への想いや、誠実な取り組みは、
一朝一夕に出来上がったものではない。

「会津の田んぼから、食のかけ橋」―。

そういった企業理念の元、 農家への営農指導や農産物検査を通じて、
会津米の質とブランド力を向上させてきた、 これまでの「あいづ松川」の努力が、土台にある。

会津のお米は抜群においしいんです。 昔から米屋の評価はダントツで会津だった。

この道三十年の松川正光社長は言う。

ただ、知名度がないばかりに、 米屋はどうしても、会津米を安く見て、
会津という産地を、積極的に前面に出しはしない。

そんな風潮が、昔はよくあったそうだ。

会津の米を、会津の米として、誇りを持って売る。
松川社長は、三十年間、そのために奮闘してきた人だ。

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誇りを支える地道な努力

独自ブランド「会津魂」

誇りを持って会津米を売るための努力を、 松川社長は一貫して続けてきた。

米をただ集荷して卸すだけでなく、 肥料や生産資材を提供しながら営農指導を行い、
文字通り生産者と二人三脚で、 米づくりに関わってきた。

品質管理も徹底している。

委託されている品質、等級検査に関しても、
「あいづ松川」に出すと、評価が厳しい―、

そう言われるくらい、厳格に、まじめ一徹に行っている。

本当においしい米を、きちんと消費者に届けることが、
会津米の将来を拓くという信念からだ。

その甲斐あってか、二年前に商標登録した独自ブランド、
「会津魂」の評判は上々で、ブランド指定のお客様も増えているという。

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お米の啓蒙活動

継ぐ者、松川修一さん

こうした社長の想いを継承し、 会津米を日本ナンバーワンブランドに、
という大志を抱いて、日々駆け回っているのは、 専務の松川修一さん。

小さな子どもたちに、稲の収穫、脱穀、精米、
そして、調理の体験をさせて、 お米自体に興味を持ってもらうこと。

イベントなどで、 若いお母さんに、会津米の良さを伝えたり、
おいしい炊き方をレクチャーしたりすること。

「五ツ星お米マイスター」の資格を持つ修一さんは、 それを生かした、
このような啓蒙活動で、 まずは地元・会津に住む人びとに、
会津米に親しんでもらう。

そうして、次に東京など他地域の方がたにも、 食べてもらって―。

そんな、会津米の広がり、未来を、 豊かに想い描いている。

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新しい挑戦も常に

無洗米、味噌、麹

修一さんが力を入れていることは、他にもある。
そのひとつは、無洗米の製造販売だ。

無洗米は、研ぐ手間を省き、水の節約になるため、 現代の家庭のニーズにマッチするばかりでなく、
災害時の炊き出しなどでも威力を発揮する。

そこで、「あいづ松川」では、 肌糠(はだぬか)だけを丁寧に落とす、 最新式の機械を導入し、
味にもこだわった無洗米を提供している。 さらに、米麹とそれを使った味噌など、
米食文化全体を見据えた事業展開も行っている。

会津の「食」への熱い想いを胸に抱きつつ、 消費者のニーズもふまえた合理的な
発想で着実に―。 新しい「あいづ松川」の歩みは、 もう始まっている。

 

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「あいづ松川」×「会津物語」

「会津一会」プロジェクト

そして、今。 「あいづ松川」と「会津物語」の出逢いによって、
新しいプロジェクトが始まっている。

一つひとつの縁(えにし)を大切に、 人から人へ、会津の「食」の安全・安心と、
そして何より、おいしさを伝えていこうという、 ―「会津一会」プロジェクト。

その第一弾として、 「会津の米」の商品開発・販売が、 震災から三年目を迎えた、
この二〇一三年に、現実のものとなった。

厳密な検査で安全を確認した商品を、 まずは手に取ってもらうこと。
そして、会津米のおいしさに気付いてもらうこと。
「一期一会」の、感謝の気持ちをもって、 “食べて・繋げる”―。

「会津一会」の想いは、 そうして、未来に広がっていく。

 

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「復興」のその先へ

志高く、前へ!

あの震災は、確かに大きな打撃だった。 風評の払拭も、未だ道半ばだ。
けれども「あいづ松川」は、 既に雄々しく前を向いている。

真においしい米を安定してお客様にお届けする。
情報開示などのお客様のニーズにも、愚直に応えていく。

プロの問屋として培ってきたこの姿勢で、 風評被害からの脱却、そしてその先、
会津米を、日本ナンバーワンブランドにという、 大きな目標にも、果敢に挑んでいる。

そこには、 うまいものを見分ける冷静なプロの目と、 誇り高い会津魂の、
完璧な結合が、ある。 「復興」のその先へ、 志は、高く高く―。

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