「HOME MAKERS 小豆島ひとやまの農家カフェ」三村拓洋さんご家族
都会暮らしより、家族と生きられる時間を―
そう選択して小豆島に移り住んだ三村さんご家族
豊かな“島じかん”の中で、楽園をつくりたい
「HOME MAKERS 小豆島ひとやまの農家カフェ」
三村拓洋さんご家族の物語り
会津が誇るジャパンブランド
「会津漆器」伝承の物語り
会津における、漆の歴史は、古い。
平安時代の昔より、仏具、仏像などに塗られ、
東北の要衝の地・会津においては、
四百年前から、城下町文化が花開き、
その時、萌した漆工芸という小さな芽は、
旧幕時代を通して、一つ大きな文化へと、育っていった。
「会津漆器」の美の、ひみつ
高貴な黒と職人の誇り
三村拓洋さんご家族の物語り
そう選択して小豆島に移住した、あるご家族の物語り
豊かな“島じかん”の中で、楽園をつくりたい
山里で生きよう
島に移り住んだ家族の物語り
造園設計の会社に10年。昼夜机に向かう仕事だった。
子どもが生まれ、朝から晩まで多忙な夫婦共働き。
ほとんどの食事は外食。それはそれで楽しい。
都会の暮らし方としては、ごく普通かもしれない。
違和感を覚えながらも過ぎていく都会の暮らし。
「でも、なにか違うんじゃないかな」
2011年、家族が体調を崩したこともあり、ぴたりと歩みを停めた。
ふと振り返り、これから先を見るようになった。
悶々と満たされない気持ち。
もっと家族一緒にいる時間を確保したい。
そんなとき、ひとつの雑誌の見出しにグッときた。
“たとえば、いま、あなたが都会を離れて島で暮らすとしたら“
根は脈々と島にあった
あたたかいルーツに帰るとき
もし、自分の身になにかが起こった時に、
生き抜いていく力をもっていたい。
自給自足できる時間と向き合うために、
祖父の残してくれた築140年の家があった。
いや、家だけではない。
豊かすぎる自然と、世代を超えてゆるやかにつながる、
「三村」を知ってくれている人々もたくさん。
子どもの頃は、お盆と正月にしか訪れなかった
あの田舎の島が、「よく帰って来たな」と
待っていてくれたようにさえ感じた。
都会でも築90年の古民家に住んでいた。
古材の温もりがやさしかったが、
ここではそれ以上の安らぎがある。
山里は豊かな人里
肥土山(ひとやま)という
海の見えない場所で
2012年10月、同じ想いを抱いていた
妻のひかりさんも、なんの迷いもなく移住に同意。
学生時代から飲食のアルバイトをしたり、
卒業後も本格的に料理の腕を磨いていた夫の拓洋さんは、
以前からよく食事を作ってくれていた。
いまは、4反の畑で自分たちの食べるものをつくりたい。
そんな想いもひとつに、5歳になる娘のいろはちゃんも
農作業に加わって、よいしょ、よいしょ。
隣のおばちゃんも農家をしていて、
いろいろなものをくれて、おしえてくれる。
自然に「こんにちは」と言える暮らしが、
すがすがしい。
「住み開き」という場づくり
誰でもが気軽に
来てくれるところへ
「自分だけの場所を、
みんなのためにちょっとだけひらく」
2009年に、あるアートディレクターが提唱した生き方を、
ここ小豆島で実践したい。
ワークショップや勉強会もしたり、
もちろん地元で採れた野菜や果物を食べられる、
そんな農村にあるカフェをこの夏にオープンするために、
今はせっせと、でも自分たちのペースで準備中。
その予行練習に近くの「多聞寺」で、
期間限定の「寺カフェ」を5月にオープン。
赤ちゃんのいるご家族、旅を楽しむ女子、
近所のおっちゃんやおばちゃん。
人づての評判が広がり、連日大盛況。
「住み開き」のいい予感が広がった。
自然のまま、楽園のように
造園の仕事が、
今につながってきた
田舎の馬小屋を住まいにするために生涯をかけた、
スリランカの建築家、ジェフリー・バワ。
造園設計の仕事をしていた頃、
自然を活かす彼の仕事に魅了された。
すぐそこに、食べるためのハーブがある。レモンがある。
アリス・ウォータースが開いたサンフランシスコの
オーガニックレストランは、自然のままなのに、
その畑がデザインされた庭のように美しかった。
つくられたというよりは、自然に活かされた理想の園。
オリーブ、レモン、梅、だいだい、いちご、みかん、野菜の数々。
小豆島はほんとうに豊かに多彩に育てられる。
もちろん、お米だってこの千枚田で収穫ができる。
ここ肥土山は、その名の通り「土」が「肥沃」。
ここで、楽園をつくりたい。
HOME MAKERS
いろいろなものを
つくるということ
小豆島ひとやまの農家カフェ、HOME MAKERS。
ロジカルにものごとを考えても、答えが出ないことがある。
綿密に計算しても、想定外のことは起こりうる。
ビジネスも農業も「段取り8割」。
準備がほとんどのことを決めるけど、
ガチガチになる必要なんてない。
ある程度の幅をもって取り組めば、柔軟に対応できる。
そんなしなやかさを持って、いろいろなものをつくり、
いろいろなことを紡いでいきたい。
いつも人がいる集落を見渡せるこの里は、いつも安心感がある。
「伝えたい」「広めたい」というより、
描いているイメージをリアルにしていきたい。
笑顔が絶えない三村家族に引き寄せられる人は、
きっと自然に集まってくる。