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ギャラリー&カフェ さらすわてぃ 新田久子さん

鞆の浦の自然と語らいながら、訪れる人々の心に、穏やかさの灯をともしていく。ギャラリー&カフェ さらすわてぃ。新田久子(にったひさこ)の物語り。

きっかけは、多くの人との縁でした―
潮風の通り道となった古民家カフェで、
自然と語らい、人の心に灯をともす

ギャラリー&カフェ さらすわてぃ 新田久子さん の物語り

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心安らぐ、自然と一つになる場所を

「さらすわてぃ」新田久子の物語り

海や草木、陽の光とともに息づく鞆の浦。 そんな鞆の町を象徴するようなお店がある。

そこを営むのは柔和な雰囲気の中に、力強く真っ直ぐな“芯”を秘めている女性。

元々は福岡でギャラリーを営んでいたが、人の縁でここ、鞆の浦に辿り着いた。

気張らない、温かみのあるものを提供したいという信条のもと、
店内には選び抜いた置物やアクセサリーを並べている。

鞆の浦の自然と語らいながら、訪れる人々の心に、
穏やかさの灯をともしていく。

「ギャラリー&カフェ さらすわてぃ」
新田久子(にったひさこ)の物語り。

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階段の向こう調和するいろどり

古民家の名残がある空間

医王寺へと続いていく参道の途中、控えめに現れる階段を上ったところに、
「さらすわてぃ」はある。

古い民家だったものを改築したせいもあり、
その雰囲気は鞆の浦の景色と見事に調和している。

高台に位置し、外に大きく開いた縁側をそのまま残してあるから、
店内からは、鞆の浦の海を一望することができる。

潮の香りを含んだ風を嗅ぎながら、刻々と色を変える陽の光を眺めていると、
時間が経つのを忘れてしまう。

店の中には、新田さんが選んだ、“アート”な作品群が並べられていて、
それらを見ていると、普段眠っている心の奥深くが、
やさしく刺激されるみたいで―。

出される飲み物も、素材、器ともにこだわり抜かれていて、
鞆の浦の景色を眺めながら、誰もが至福のひとときに身を浸すことができる。

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人が繋いでくれた新田さんの想い

「潰れるなんて、もったいない」

新田さんが鞆の浦にやって来たのは、まったくの偶然だった。

もとは福岡で、まだ世に出ていない才能を、
どこよりも早く発信するギャラリーを営んでいた。

しかし、様々な事情により、店を一度閉めることに―。

これからどうすればいいのか。そんなふうに思案していると、
新田さんに声をかけてくれる人がいた。

「こんな良いギャラリーが潰れるなんて、もったいない」

新田さんのギャラリーを知る人が、鞆の浦に場所を貸してくれることになり、
復活を後押ししてくれた。

その後も、次々と、新田さんの理念に共感してくれる人たちが現れて、
最終的には、古民家を持て余している、福山市在住の方に場所を提供してもらうことになった。

ギャラリーというかたちで、この場所を甦らせてくれる新田さんにだったら、
と、その人は古民家の改築にまで協力してくれた。

こうして、「ギャラリー&カフェ さらすわてぃ」を、開けることになった。
新田さんが困っているときには、いつも助けてくれる人が現れた。

それはきっと、このギャラリーの持つ、不思議な魅力のおかげなのだろう。

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改築、そして―

その建物は、鞆の浦を体現するかのようで

そうして、新たにスタートを切ることになった新田さん。

改築には、彼女ならではのこだわりがあった。

―“風の通り道”があるようなお店にしたい。

その想いそのままに、店内を風が踊るようにして吹き抜けていく。
ここでは、真夏でも、心地好い涼やかさを感じることができる。

また、開放感のある構造が巧みにデザインされているから、
「さらすわてぃ」には、古民家特有の暗さは感じられない。
陽光や、海や石垣からの照り返しという光りが、
自然な明るさをもたらしてくれる。

それを、光りが歌う、と新田さんは表現する。

改築の際、新田さんは、ずっと好みの音楽をかけていた。

草木であれ、動物であれ、ワインであれ、良いメロディをともにすると、
目が覚めるような成長、熟成を見せる。

きっと、このお店も同じで、だから、「さらすわてぃ」全体から、
新田さんの持つ優しさがにじみ出てくるのだろう。

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ギャラリーを飾る置物たち

心惹かれる、その色、そのかたち

福岡にいた頃は新人発掘を主としていた新田さん。

東京よりも、いち早く、と、“アート”に追われる日々だった。

しかし、鞆の浦に移ってからは、違う風に考えるようになった。

鞆の浦では緩やかな時間の流れが漂っている。
その中で人は自然と一体となって、大事なものを受け取ることができる。

新田さんはそうした気風を尊んで、気張らない、人のありのままの心を映してくれるような、
自然体の作品たちを置くようになった。

衣服も、調度類も、置物も、すべてが建物や外の景色と同じ雰囲気を身に纏っている。

それらを眺めているだけでも心が安らぐし、どれかを購入して、お店の雰囲気を持ち帰れば、
ここの安らぎを、いつでも思い出すことができるはず。

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「さらすわてぃ」を営む意味

人々に“気”を与えていく

新田さんは、毎日草木の手入れをするなどして、自然と直に語り合っている。

そうすることで、調和の度合いは一層濃密なものになり、
調和から生まれる“気”は、置物ひとつ、コーヒー一杯にも宿っていく。

人びとは、その“気”に触れることで、安らぎと元気をもらう。

人づてにこの場所の存在が伝えられてゆき、そうして、“気”を共有する人の輪は、
さらに、どんどん広がってゆく。

元気をもらった人びとは、また自分の道を歩き出し、
新田さんはそれを静かに、微笑みとともに見送る。

その佇まいは、はるか昔より鞆の浦を見守ってきた、
水先案内人のそれに似ていて―。

海や草木、陽の光りの変化を楽しみながら、
今日も新田さんは「さらすわてぃ」を営んでいる。

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