京丹後市の地方創生
京都府の最北部に位置する京丹後市。豊かな自然に恵まれ、数多くの温泉施設を有し、松葉ガニや間人ガニがおいしい、ゆったりと温かい街です。またこのような魅力を、観光振興や移住促進のために積極的に発信している街でもあります。
京丹後市は、「まち・ひと・しごと創生法」第10条に基づいて2014年12月に国が通知した「地方版まち・ひと・しごと創生‘人口ビジョン‘と‘総合戦略‘」の策定に関して、いち早く取り組みを始めています。
大河ドラマ「麒麟がくる」を契機にレガシープロジェクト発足
2020年放送のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、主役・明智光秀び居城であった福知山城、丹波・亀山城などの城下町が映し出される予定です。 そのタイミングに合わせて、観光強化していくプロジェクトです。 城下町を核(レガシー)にして、周辺地域の観光強化を行っていくようです。 大河ドラマは大きなプロモーションになります。このチャンスを活かして「定番の観光地化」まで突き進んでほしいですね。京丹後市が抱える課題とは!?
地方創生の観点で京丹後市が抱えている課題とは、人口の減少と地域経済の縮小です。京丹後市の人口は、昭和25年の8万3千人をピークに減り続けています。また、平成2年から14歳以下の年少人口を65歳以上の老年人口上回るようになったこと、15歳~64歳の生産年齢人口が昭和35年の約4万8千5百人をピークに減り続けていることも課題です 。 この人口減少という事態は、消費市場の規模が小さくなることだけでなく、人材の不足や景気 の低迷をもたらしており、市の経済力低下と少子高齢化を要因として、京丹後市全体における地域社会のさまざまな基盤の維持を困難にしつつあります。 そこで京丹後市は、この悪循環の連鎖を断ち切るために「人口流入の促進」「若者層の人口流出の抑制」「若者層の就労・結婚・子育て支援」「健康長寿の推進」という4つの柱を掲げ課題解決に乗り出しました。地方創生のためのPDCAサイクル
こうした構造的な課題を解決するためには、悪循環の連鎖に歯止めをかけて好循環に持ち込む取り組みが必要です。都市部から地方へ人口を呼び込むことは一見して難しく感じられますが、実際には、現在大都市圏に在住しているが就労などの条件が揃えば、地方への移住を希望するという人が約40%、京丹後市の住民においては定住志向を有する人が約80%との調査結果もあります。 前項で挙げた「人口流入の促進」「若者層の人口流出の抑制」「若者層の就労・結婚・子育て支援」「健康長寿の推進」を柱として、京丹後市の特徴を活かした取り組みを進めながら、「しごと」が「ひと」を呼び込み、また「ひと」がさらに「しごと」を呼び込み、その結果として活気ある「まち」づくりができていきます。そのためには、市の実態を正確に把握し、しっかりとした分析に基づいて、それぞれの政策の相乗効果も鑑みながらPDCAを回していく体制を整えることが重要です。政策の企画・実施にあたっての基本方針
こうした考え方を踏まえて、京丹後市の地方創生における基本方針として、4点が挙げられています。 Ⅰ.「まち・ひと・しごと創生」政策5原則を念頭に置く 地方創生を確実に実現するためには、まず国の総合戦略に挙げられている「まち・ひと・しごと創生」政策5原則を念頭に置き、それをしっかりと咀嚼したうえで市の状況に置き換え、市としての施策を展開していくことが重要です。 国の「まち・ひと・しごと創生」政策5原則とは、以下のものです。- 自立性(一過性の対症療法を行うのではなく構造的な問題として向き合い団体や企業、個人の自立を促す)
- 将来性(地方が主体性と自主性を持って、将来に向けて希望を持てるような取り組みの支援に重点を置く)
- 地域性(画一的、トップダウン型ではなく、あくまでもその地域の実態をしっかりと把握しそれにあった支援を行う)
- 直接性(限られた時間と財源を最大限に活用すべく、直接的な支援を集中して実施する)
- 結果重視(いわゆるバラマキ型ではなく、具体的な数値目標を掲げそれに対しての結果検証を行う)