2014年に地方消滅リストが公表されて以来、「地方創生」という言葉をよく耳にするようになりました。地方創生とは、第二次安倍内閣にて掲げられた地方活性化の創生法案です。内閣官房には「地方創生本部」が設置され、地方自治体では地元の人口減少に歯止めをかけるべく、その土地ならではの地域活性化の事業構想が練られています。ここでは「町の活性化に向けた創生のビジネス」に役立つ本を20冊ご紹介します。
①『「地方創生」から「地域経営」へ まちづくりに求められる思考のデザイン』
著者
:寺谷篤志、平塚伸治
編集者:鹿野和彦
出版:仕事と暮らしの研究所
発売:2015/3
単行本(ソフトカバー)
地方創生といってもどこか他人事のように感じる…そんな方に読んでみていただきたい一冊です。自分の住んでいる地域を盛り上げるということは自分自身の暮らしをもより良いものにしていくことにつながるのだと気付かされます。
また、地域おこしをしていくなかで発生した問題点の解決手法として提案されている「四面会議システム」にも注目。誰でも、しかも場所を問わずに活用できるもので、実践への意欲をかきたてられるでしょう。
②『地域活性化マーケティング』
著者:宮副謙司
出版:同友館
発売:2014/11
単行本(ソフトカバー)
地元活性化の考え方や戦略構築を伝えていること、奥深くにまで踏み込んだ具体的な事例が挙げられていることから実践レベルで勉強になります。付け焼刃ではなくしっかりと腰を据えて地方創生事業に取り組みたいという意思を持つ方には大いに役立つはずです。
③『「地方創生」で地方消滅は阻止できるか―地方再生策と補助金改革』
著者:高寄昇三
出版:公人の友社
発売:2015/2
単行本
かつて神戸市役所在籍時に2冊の地方自治に関する著書で受賞歴がある著者。第二次安倍内閣が発足し創生法案が可決され、いよいよ町の活性化に国のビジネスとして力を入れていこうという今だからこそ読みたい、地方消滅を阻止するにはどうすべきかを問う一冊です。
④『地方自治体に営業に行こう‼』
著者:古田智子
出版:実業之日本社
発売:2014/9
単行本(ソフトカバー)
自治体と民間企業が手がけているさまざまな「地方自治体ビジネス」の実情を紹介しています。著者自身やその周辺の人物の体験談をもとにユニークさをもって語られているため、地方自治体へ営業に行きたいビジネスパーソンはもちろん、地元活性化に関心を寄せる全ての人にとって役立ち、また楽しめる本と言えます。
⑤『稼ぐまちが地方を変える-誰も言わなかった10の鉄則』
著者:木下斉
出版:NHK出版
発売:2015/5
新書
高校生のときから地域を活性化するビジネスを手がけていたという著者。従来のまちしごとがうまく行かなかった理由、地元の民間企業が補助金を頼りにせずとも地方創生事業を進めていくためにマストなこと、今後のまちしごとを民官双方が担っていくため行うべきことがリアルな体験を元につづられています。学生社長としての苦悩、それでも負けずに前を向いて歩み続ける姿に、「地方を変えたい」と熱く燃えている人だけでなく何かにチャレンジしているすべての人にとって、奮い立たされるものがあるに違いありません。
⑥『「地方創生」!それでも輝く地方企業の理由』
著者:野口秀行、弓削徹、谷田貝孝一
出版:ベストブック
発売:2015/3
単行本
人口の減少、少子高齢化…そんな中で地方企業が生き抜くための鉄則を、ものづくりと小売りそれぞれの分野について語る本書。逆境に負けずにきらりと光る地方中小企業の秘密に迫ります。
⑦『なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略』
著者:冨山和彦
出版:PHP研究所
発売:2014/6
新書
G(グローバル)とL(ローカル)において、人類史上で初めてと言える甚大なパラダイムシフトが起こっている、というセンセーショナルな主張が印象的な一冊。企業再生のプロフェッショナルがつづる、日本経済復活への道しるべ。グローバルとローカルを分ける考え方が、地方の創生に取り組む人にもヒントになるでしょう。
⑧『官製金融改革と地銀再編-地方創生のためのスーパーリージョナルバンク構想』
著者:宇野輝
出版:きんざい
発売:2015/3
単行本
政府による金融の縮小や分割、地方銀行が統合されることによる民間金融の強化について、かつてゆうちょ銀行の執行役員として郵政民営化に従事した現任京都大学特任教授である著者の視点で語られています。
⑨『地方創生の理論と実践 ‐地域活性化システム論』
著者:橋本行史
出版:創成社
発売:2015/1
単行本(ソフトカバー)
日本地方自治研究学会常任理事および地域活性学会理事を務める著者が、地方創生についてロジックとプラクティスの両面からひも解きます。システム論がわかりやすい一冊。
⑩『地方創生はアクティブシニアのワープステイ“里山留学”からはじまる!』
著者:ワープステイ推進協議会
出版:住宅新報社
発売:2014/12
単行本(ソフトカバー)
地方への短期留学を意味する「ワープステイ」。少子高齢化、東京への人口集中、消滅集落や限界集落の増加といった深刻な問題に明るい解決策を提案しています。地方の活性化への取り組みに行き詰まり次の一手を思案している方には参考になるのでは!
⑪『地域づくりのプラットフォーム:つながりをつくり、創発をうむ仕組みづくり』
著者:飯盛義徳
出版:学芸出版社
発売:2015/4
単行本(ソフトカバー)
まちしごとを推進する組織とそのマネージャーを育成するにはどうしたら良いのかを説く本書。いろいろな価値観を持つ人たちが一堂に会し結束し合うことで一人では成し遂げようもなかった活動やバリューの創造ができる、そんなプラットフォームづくりについて述べています。
⑫『スマート・テロワール : 農村消滅論からの大転換』
著者:松尾雅彦
出版:学芸出版社
発売:2014/12
単行本
耕作放棄地や有効に活用されていない水田を畑や放牧地に転換すれば、農村は15兆円産業を創造できると謳っている本書。「スマート・テロワール」とは「美しく強靭な農村自給圏」のことであり、実際に静岡県では著者のアドバイスを得て活動が始まっています。水田が多い農村で地方創生を考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか?
⑬『サステイナブル・コミュニティ―持続可能な都市のあり方を求めて』
著者:川村健一、 小門 裕幸
出版:学芸出版社
発売:1995/11
単行本
アメリカの半永久的に存続しうる町づくりの運動を紹介する本書。住民が誇れるアイデンティティを持ち自然と共生する町、魅力あるオープンスペースや多様で個性的な建物がある町、省エネ・省資源に配慮された町を作るためのあり方を示します。
⑭『神山プロジェクト 未来の働き方を実験する』
著者:篠原 匡
出版:日経BP社
発売:2014/3
単行本(ソフトカバー)
若きクリエイターや起業家が集う町、徳島県神山町。新しい働き方、新しい地域活性化のモデルとして全国から注目されています。クリエイティブを生む場づくり、地域再生の方法論、不確実を楽しむ生き方が、若者たちを吸い寄せています。地方創生をはじめ、現代の日本人が抱える課題の答えがここにはあります。
⑯東京ではわからない地方創生の真実
著者:辛坊治郎
出版:中央公論新社
発売:2015/12
単行本
テレビ番組の司会でお馴染みの辛坊治郎が大阪発の視点で提言!「地方消滅都市とされている自治体では、その危機感が現場で共有されているのか?」「安倍政権の目玉政策はうまく回っているのか?」徹底的な取材をもとに、国と地方を考えます。
⑰町屋・古民家再生の経済学~なぜこの土地に多くの人々が訪ねてくるのか
著者:山崎茂雄、野村康則
出版:水曜社
発売:2016/3
単行本(ソフトカバー)
日本の全国各地に存在する空き家・古民家。本書では、空き屋や古民家を「地域固有の資源」と捉え、これを活かし観光客を呼び込む施策を探ります。交流人口を拡大させるためには何をすべきなのか、この一冊が地域創生のヒントになることでしょう。
⑱競わない地方創生―人口急減の真実
著者:久繁 哲之介
出版:事実通信社
発売:2016/2
単行本(ソフトカバー)
本書は、地域再生プランナーとして現場で取り組んできた著者による、地方創生の実践書。「成功事例とされている自治体の人口は、その後急減している」など、実際に地方で起こっている「誰も口にしない不都合な真実」を指摘し、具体的な解決策を提示してくれます。カスタマーレビューでも熱く思いを語る人の多い、心動かされる一冊です!
⑲奇跡の村 地方は「人」で再生する
著者:相川 俊英
出版:集英社
発売:2015/10
新書
長野県にある辺境の山村、下條村。この村はなんと、全国平均を大きく上回る出生率を誇る「奇跡の村」なのです。少子化対策に目覚ましい成果をあげた、その秘訣は?下條村の他にも独自の移住促進策を行っている各地の山村を取材。「少子化・人口減少に歯止めをかけることができるのか?」地方創生対策本部のこの不安に、光を照らします。
⑳SOTOKOTO(ソトコト)2016年6月号
出版:木楽舎;月刊版
発売:2016/5
雑誌
暮らしや地域を変えるには、まず「共感の場」から!居心地の良い場所作り、常に人と人が出会い繋がる方法を実践している地域リーダーのインタビュー記事が特集されています。コミュニティづくりに悩んだ時に頼れる一冊です。アプリ・ソトコト電子版(有料限定)にて、「地方の働き方/2016年5月号」などのバックナンバーとあわせて読むこともオススメ。