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青森県の地方創生

奥津軽地方「太宰ミュージアム」を観光の中核に

平成21年から22年、青森県は太宰治生誕百年と東北新幹線新青森駅開業という大きなイベントが続き、観光人口呼び込みのまたとないチャンスを得ていました。 青森県は、太宰治の生まれた家「斜陽館」が位置する奥津軽地方を同県における年間を通しての観光の中核とし、奥津軽地方に訪れる人々にこの地の魅力を存分に味わってもらおうと「太宰ミュージアム」と銘打って地域をブランディングするなど、観光活性化へ取り組みを促進。 そうした取り組みの情報発信の担い手として立ち上がったのが、青森市のNPO法人地域情報化モデル研究会と奥津軽地方の関係団体有志。一人でも多くの人に役立つ情報と奥津軽の魅力を伝え、観光人口として呼び込もうと、画期的な情報発信について検討されました。 単に情報を伝達するだけでなく「行きたい気持ちにさせる」「来て良かったと思ってもらう」そこまで踏み込むためには、情報を発信する先のターゲットを明確にすることが重要です。 この場合は、太宰治のコアなファン。この地の特徴は「太宰の生誕地であること」。だからこそ、地元ならではの詳細な情報はもちろん、太宰治を育んだ地としての奥津軽の街並み、自然、歴史や文化、芸能といった、多岐に渡るきめ細やかな情報の発信を積極的にしていくべきだと考えました。 さらに「奥津軽地方の主な移動手段は車であることから、地域を車で見て回って太宰ゆかりの地の魅力を堪能してもらうための周遊ルート案内が必要である」など、ターゲット目線になって考えられた情報支援サービスを検討されていました。 こうした構想から、総務省の「平成20年度地域ICT利活用モデル構築事業」というバックアップも受け、各地の太宰治ファンと奥津軽地方をつなぐ「太宰ミュージアム公式サイト」の開設、奥津軽の埋もれた魅力を伝えるための先進的な情報支援を開始しました。

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観光資源の新たな発見を促す「Myルートガイド」

青森県内の観光は車に依存する割合も大きいため、車で地域を周遊するためのルートプランを自分で手軽に作ることができる「Myルートガイド」が開発されました。「MYルートガイド」では、観光サイトから複数の目的地を自由に選択するだけで、最短の訪問順序や移動時間・走行距離・移動ルートの自動作成が可能。旅行者は観光サイト上でオリジナルの周遊ルートプランを手軽にシミュレーションできるとともに、地点間の移動ルート周辺に点在する埋もれた観光資源の新たな発見も楽しめるようになりました。 青森県内での共同利用にあたり、青森県観光連盟などの公共団体は保有する観光情報をオープンデータ化。 これにより民間企業による先進の周遊ルート案内サービス(Myルートガイド)と、県内全域のきめ細かな観光情報が融合し、県内の30の自治体の各観光サイト上で、周遊ルート案内サービスが利用可能になりました。 また、民間に開放された観光情報は観光クラウドに集積され、地元レンタカー会社による観光案内サービスとしても活用されています。地元の豊富な観光情報を取り込んだ観光情報サービスが、県内のレンタカー会社の窓口サービスとして提供され、レンタカー会社が新たな観光案内所の役割を担っているのです さらに、県内のお店や飲食店、体験施設など約600事業者が参加し、旬なおすすめ情報やクーポンなどがPCやスマフォから直接投稿されています。このうち約40の事業者は、Myルートガイドやレンタカー会社の観光情報サービスと連携し、旅行者に対して旬なオススメ情報やクーポンを提供しています。観光スポットのみならず、地域の現場の生の声や旬な話題が、多様な地域情報サービスを通じてリーチされ、地域の魅力の再発見に役立っています。

2030年青森県ブランドの確立を目指して

青森県は「買ってよし、訪れてよし、住んでよし」の生業・生活が好循環している地域を目指した環境作りを目標にしています。 ECサイトの販売強化で年々、青森の品質の良い食材は外国からも認められており着実にブランド化を実現しています。 今後ネックになってくる、人口減少や高齢化についても雇用の創出で改善を図っています。 デジタル技術をうまく使って、県外だけでなく国外へのアプローチも計画しているので、職の幅も今後広がっていくのではないでしょうか。  

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